院長執筆の論文が医学誌にアクセプトされました
院長が執筆した下記論文が、『耳鼻咽喉科臨床』という医学雑誌にアクセプトされました。
『耳鼻咽喉科臨床』は、1908年(明治41年)創刊の、耳鼻咽喉科関連の医学雑誌の中でも歴史ある医学雑誌の一つです。院長はこれまでも勤務医時代に、複数の論文を同誌に掲載されていますが、開業医となってからは初めてです。掲載は15年ぶりになります。15年前は、原稿も写真も綺麗に3部印刷して本部に送り、郵便で返送を待つ。書き直したら、また一から印刷して、3部送るを繰り返していたのですが、今やオンラインとメールでのやり取りとなり、隔世の感がありました。
今回の論文は約5年前に、院長自身が罹患し、永冨脳神経外科において確定診断され、脳血管手術で治療した硬膜動静脈瘻に関してのものです。症例報告としての意義のみならず、自分が患者としての立場での報告も兼ねています。査読(審査)もあるため、あまり過激な表現はできませんでしたが。硬膜動静脈瘻が、耳鳴りのみで発症する確率は、年間約100万人に1人であり、私の医者人生で初めての患者が自分でした。
平成30年1月8日の夜、左耳から「ひゅうひゅう」と風で電線が鳴るような、また、遠くから聞こえる食洗機の洗い音のような耳鳴を自覚。翌日には、車に乗ってエンジン始動前、閉鎖空間となるとよりはっきりと自覚されました。その耳鳴は、自分の心拍に一致したリズムの拍動性耳鳴であり、後頸部の圧迫により消失するという特徴を有していました。(ココ大切!)
翌日、永冨脳神経外科を受診し、単純CT(外来)、MRI(外来)、造影CT(外来)、脳血管造影検査(入院)を経て確定診断され、同年3月に脳血管手術により、動静脈瘻(シャント)の閉鎖手術を受けました。手術直後から血管性耳鳴は消失し、術後約5年間、再発はしておりません。
主治医、執刀医であった永冨脳神経外科 堀放射線科部長はじめ、永冨脳神経外科のスタッフ皆さんには感謝してもしきれません。
また、2週間余りの入院生活、一晩でしたがICUでの経験は、小生が医師として生きていく上での糧となっております。
今回の論文は私のモットーでもある、「転んでもタダでは起きない」ことの証でもあり、今回のアクセプトはこれまでのどの論文よりも、嬉しく印象的な出来事となりました。
『血管性他覚的耳鳴で発症したS状静脈洞部硬膜動静脈瘻ー患者としての自己体験からの検討』
著者名:首藤純 1) 堀雄三 2)
所属:1) 医療法人純洋会 首藤耳鼻咽喉科2) 医療法人健裕会 永冨脳神経外科病院放射線科
Dural Arteriovenous Fistula Presenting as Pulsatile Tinnitus: A Self-Report
Jun Shuto: Shuto ENT Clinic
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