この記事は2015年6月10日に公開されたものです。
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この記事の投稿日:2015年06月10日
以前は扁桃腺(へんとうせん)と言っておりましたが,現在は扁桃(へんとう)が正しい名前です。
扁桃にも種類がありますが,皆さんの眼で見えるのは,のどちんこ(口蓋垂)の両側にある,もこもことした場所(口蓋扁桃)です。扁桃は5−7歳くらいが最も大きくて,この時期の扁桃肥大は基本的には手術の対象とはなりません。大きいのが当たり前だからです。しかしながら,扁桃が原因で毎月のように熱を出す(正式には1年に4回以上の発熱,投薬),いびきが大きくて,無呼吸になるなどの症状があれば,こどもでも扁桃摘出の適応となります。
また,大人になってからでも(子供の時に扁桃炎などしたことが無いような方でも),
◯扁桃炎を反復する方(年4回以上)
◯扁桃炎になると内服では改善せず,点滴に至る方
◯扁桃炎どころか,その炎症が周囲に波及し,扁桃周囲膿瘍や,扁桃周囲炎になる方
◯いびきが大きく,無呼吸になる方
※大人になってからの扁桃炎,扁桃肥大は,喫煙,肥満との関係があるようですが。。。
上記に該当すると,扁桃摘出術の適応が出てきます。
この扁桃摘出術(へんとうてきしゅつじゅつ)はその昔,局所麻酔で,耳鼻科のイスに座ったままで行っていた時代があり(20年前くらいまででしょうか)ましたが,現在では全身麻酔下に行い,1週間程度の入院をするのが通常となっております。これは出血など副損傷を起こした場合の,安全性を確保する為です。
現在大分県内で,この手術を行っているのは,小生が把握している中では
◯大分県立病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 (通常,手術まで2−3ヶ月待ち)
◯大分大学医学部附属病院 耳鼻咽喉科 (通常,手術まで2−3ヶ月待ち)
◯別府医療センター(旧 国立別府病院 別府市)
◯南海医療センター(旧 南海病院 佐伯市)
のみであると思います。
当院でも,この4院にご紹介申し上げるように致しております。
つまり,扁桃を取る手術,扁桃摘出術はその日に来て,直ぐ取れる,などと言うものではありませんので,ご理解下さい。