第62回日本気管食道科学会(別府)に出席
第62回日本気管食道科学会が別府で開催され,出席してきました。
この学会は,気管や食道についての学会ですが,外科,耳鼻咽喉科の医師が多く在籍しています。
私も同学会の専門医を2003年に取得しており,これを維持するために5年間で3回以上の出席が義務づけられています。
一般に学会は春と秋に集中しており,いずれもが耳鼻咽喉科にとって繁忙期にあたるため,特に一人で開業している者にとっては,出席が困難となる場合が多くあります。また必ずしも土日に学会がある訳ではなく,ましてや,日曜に診療している小生にとっては,3つの専門医(日本耳鼻咽喉科学会専門医,日本アレルギー学会専門医,日本気管食道科学会専門医)と,それに準ずる資格(日本耳鼻咽喉科学会補聴器相談医)を維持するのは,困難を伴います。
また学会は年2回のうち,1回は都会(東京,大阪,名古屋など),1回は地方(大分など全国)で開催されるため,地方在住者にとって,自分の地方で開催される学会は大変貴重です。
というわけで,いそいそ朝からクルマで別府ビーコンプラザへと出発。
興味深かったのは,
「気管切開」のセッション。緊急時の気道確保のいわば究極のカタチが気管切開ですが,これまでは耳鼻咽喉科医がやる場合や,救急医がやる場合,外科医がやる場合と,それぞれの科がやる場合のスタイルが異なっていましたが,これをトータルにそれぞれの知恵を出し合っていこうというもの。
また,「外科と耳鼻咽喉科でいかに早期に癌を見つけるか」というセッションでは,内視鏡+光学的画像処理を用いることで,癌の深部への進達度を把握し,これに応じてこれまでと異なった手術術式(より侵襲の軽い手術でより効果を上げる)の可能性が高まっていると感じました。この点において,耳鼻咽喉科はもっとがんばれる余地があるという印象を受けました。
11月21日にも広島で耳鼻咽喉科専門医講習会があり,ここでは特に補聴器の実技講習を受講して,知見を深めてきます。